留学経験なしで外資系企業で揉まれた私ですが、日々の密かな楽しみは「仕事には1ミリも役に立たない英語の発見」を集めることです。
先日、メジャーリーグ(MLB)の試合を英語実況で観ていたとき、雷のような衝撃を受けました。
San Diego Padres (サンディエゴ・パドレス)というチーム。日本語だと「パドレス」で一つの固まりとして認識しがちですが、英語の実況を聞いていると、末尾の「s」がかなり控えめに発音されているんですよね。ぼーっと聞いていても、しっかりPadre(パドレ)の複数形として発音されていることに気づきました。
Padre という単語なら、知っている – 私の好きなイギリスのサスペンスドラマ、『Father Brown (ブラウン神父)』の作中では、刑事がいつも敬意(とちょっとの呆れ)を込めて「Padre!」と呼びかけていました。
その Padre と、パドレスが、ようやくつながった瞬間でした。
ということは、パドレスは「神父さん達」ってこと?
気になって由来を調べてみると、18世紀にスペインから渡ってきたフランシスコ会の「神父(Padre)」たちが、カリフォルニア初の伝道所を作ってサンディエゴの街を開拓した歴史から来ているそうです。スポーツのチーム名にも、その土地のルーツがそのまま刻まれているんですね。
聖職者を指す言葉といえば、英国ドラマ好きの私としては「Vicar」も外せません。ベル・アンド・セバスチャンの歌詞にも登場しますし、Netflixのドラマ『インサイド・マン』で、デビッド・テナントが吐き捨てる「I’m a fuc*ing Vicar!」という強烈なセリフはとても印象に残っています。
雑に整理すると、呼びかけとして使うのが「Padre」、役職・職名としての色彩が強いのが「Vicar」といったところでしょうか。日本でいう「神父」と「牧師」の違いのように、宗派(カトリックや聖公会など)によって明確な区別があるのですが、キリスト教になじみの薄い環境で育った身としては、なかなか奥が深い世界です。
ちなみに、外資系企業で働いていると「宗教と政治の話は絶対タブー」が鉄則。同僚とのアイスブレイクで間違っても「次の選挙、誰に入れる?」なんて話は振れませんし、オフィスで「Padre」や「Vicar」、「Father」といった単語を使う機会はまずゼロです(笑)。
でも、こういう「即戦力にならない英語」こそが、日常をちょっと豊かにしてくれます。海外ドラマのセリフが一つ聞き取れたり、スポーツ中継の背景にある歴史を知れたりする楽しさ。
ビジネス英語のスキルアップも大切ですが、純粋な好奇心で知識の幅を広げていく英語学習も、なかなか乙な趣味だと思いませんか?

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